『こわれた1000のがっき』(出版社:カワイ出版・1993年刊)という版による。 教育よもやま情報+1 教材として:小学校4年生の国語の教科書

 


こわれた千の楽器




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基本情報


あらすじの概要

物語は、大きな町の片隅にある“楽器倉庫”という場所から始まります。そこには「こわれた

」多くの楽器たちが眠っていました。 教育よもやま情報+1

  • 月がその倉庫をのぞき、「こわれた楽器の倉庫だな」と言います。 教育よもやま情報

  • 楽器たちは目を覚まし、「こわれていません。休んでいるだけです」と言ったり、「こわれ

  • ているのに、こわれていないと言ったのは嘘だ」と言ったりします。 教育よもやま情報

  • その後、チェロ、ハープ、ホルン、トランペット、太鼓、ビオラ、ピッコロ、木琴など

  • 、いろいろな楽器たちが出てきて、それぞれ「演奏したい」「仲間と一緒に何かをしたい」


  • と願い始めます。 教育よもやま情報+1

  • ビオラが「こわれた十(?)の楽器で、一つの楽器になろう」と提案し、楽器たちは協力

  • して練習を始めます。 教育よもやま情報

  • ある夜、月が再びその倉庫の上を通ると、遠くから美しい“演奏”の音が聞こえてきます。

  • その倉庫では、千の楽器が互いに補い合いながら演奏していたのです。月は「なんと

  • きれいな音。だれが演奏しているのだろう」と感動します。 東洋館出版社+1


登場人物/語り手・視点

  • 登場人物としては、月(“月”という存在が語り・観察者として出てきます)と、楽器たち

  • (チェロ、ハープ、ホルンなど)があります。

  • 語り手の視点を整理すると:

    • 〈はじめ〉と〈おわり〉では「月」の立場・心情が詳しく語られています。

    • 東洋館出版社

    • 〈なか〉の部分では楽器たちの言動が語られますが、楽器たち一つ一つの内面

    • (心情)は語られていない、という指摘があります。 東洋館出版社

  • 教材分析上、この作品では「中心人物は誰か」を考えるために、視点・構成を手掛かり

  • にするという指導がされています。 東洋館出版社


主題・伝えたいこと

この物語が伝えていると考えられるテーマには、次のようなものがあります:

  • “こわれている”と見えるものでも、捨てられるものではなく、再び輝ける可能性がある、

  • という希望。

  • 仲間が集まって、互いに足りないところを補いあい、ひとつのものを作り上げることの力。

  • 従来の「完璧さ」ではなく、「欠けているけれど、それを自覚して、協力することで可能

  • になること」が大切ということ。
    教材分析の記事では、「あきらめなければ、いつからでも再起できる」「みんなで協力する

  • ことの大切さ」といった主題が挙げられています。 教育よもやま情報


表現の工夫・読む際の注目点

  • 登場人物が“月”や“楽器”という非‐人間の存在であるため、〈擬人法〉(楽器が話したり、

  • 自分で演奏しようと願ったり)が用いられています。 教育よもやま情報

  • 物語の構成が、「設定(はじめ)」「変化・努力(なか)」「結末(おわり)」という三部構成

  • に整えられており、〈中心人物〉をとらえる分析に用いやすい。 東洋館出版社

  • 「千の楽器」という数の表現:「千」という数が「たくさん」「数え切れないほど」といっ

  • た抽象的・詩的な意味合いを含んでいる可能性があります。教材分析では「千というのが

  • 、千ぴったりなのか、たくさんという意味なのか興味がわきます」との言及があります。

  • 教育よもやま情報


教材としての使いどころ/授業の視点

  • 登場人物(特に中心人物)をどう捉えるか:この作品では「月」か「楽器たち」か、どち

  • らが中心人物か考えることで読みの深まりが期待されます。 東洋館出版社

  • 登場人物の気持ち・行動・言動を叙述(文章の表現)から読み取ることを学ぶ教材として

  • 使われています。 みんなの教育技術+1

  • グループで音読・演じる活動(「音読シアター」)としても展開可能です。楽器たちのセリフ

  • 、月の視点、場面の変化などを音読・演出することで児童の理解と興味を高める工夫が紹介

  • されています。 みんなの教育技術


私の補足・解釈

この物語を読む際に私が特に感じるのは、「“こわれた”」という言葉の扱いです。楽器たちは

「こわれている」とされながらも、自分たちで「こわれていない、休んでいるだけだ」と言ったり

、自分たちの“役割”を再発見しようとしたりします。つまり、「傷がある」「完全ではない」という

状態が、そのままあきらめや劣等感の物語になるのではなく、新しい可能性が開く出発点として描かれています。

また、月という観察者の存在も意味深く、「外から見ていたものが、その変化に気づく」という

構造を持っています。月が最初「ここは、こわれた楽器の倉庫だな」と思うところから、最終的に

「なんときれいな音。誰が演奏しているのだろう」と感動するに至る。その変容を通じて、

「見えない可能性/協力の力を見出す」というテーマが浮かび上がるのではないかと思います。

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